澪工房

2023.6.4

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7月1-2日開催のイベント『TABLE』に能作の錫製品が並びます。

大正5年に鋳物製造を生業として富山県高岡で創業された能作(のうさく)さん。『カンブリア宮殿』、『ガイアの夜明け』、『がっちりマンデー!!』などのテレビでも紹介され、現在では、錫製品といえば能作さんを思い浮かぶほどになっています。創業当時は仏具、茶道具、花器を中心に製作され、近年は錫100%のテーブルウェア、インテリア用品、医療部品を手掛け、高岡銅器の魅力を、そして江戸時代から400年余り受け継がれてきた地域の伝統産業を今に伝え続けている会社です。

 

 

 

澪工房スタッフも以前、社員旅行で工場見学をさせていただきました。伝統工芸が生み出される現場の雰囲気、職人さんの真剣な姿、丁寧に作られている製品、そこで働く従業員一人一人のおもてなしの心を感じとても感動いたしました。機会があれば是非 能作さんの工場へ足を運んでみてください。

 

 

 

能作さんの紹介動画

 

 

 

錫という素材のこと

100パーセントの錫は、手で簡単に曲げられるほど柔らかいのが特徴です。その特徴を生かして作られたのがKAGOシリーズやテーブルウェアなど。金・銀に次ぐ高価な金属で、抗菌作用が強い素材。錫の器に入れたお水は腐らない、お酒がまろやかになるといわれ古くから茶器や酒器の材料とされてきました。

お好きな形に変えて使用し、しまうときは平らになる、場所を取らないこちらのKAGOシリーズはプレゼントに喜ばれています。

 

 

 

~「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)く作る」
能作は、技術と素材を最大限に生かすデザインを追求し続け、高岡の地で人に愛され、地域に誇れるものづくりを目指します。~

という会社の方針どおり、創業100年のときに能作克治会長(当時は社長)が藍綬褒章を受章されています。≪藍綬褒章(らんじゅほうしょう)とは。・会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方へ天皇から授与される褒章のひとつ≫

「もの」をつくるだけでなく、その背景にある「こと」「こころ」を伝える産業観光事業にも取り組まれ、職人の手仕事を間近で見られる工場見学や鋳物製作体験、地元食材を盛り込んだメニューを錫の器で楽しめるカフェ等を運営されています。能作さんの工場は、全国各地から年間13万人もが訪れるスポットとなっています。また2019年からは、自社が扱う錫に注目し、結婚10周年を祝う「錫婚式」のブライダル事業にも取り組まれています。

いつも能作さんの商品は澪工房にいくつか展示していますが、今回のイベントでは、新作を含めた商品がたくさん並びます。能作スタッフの方が高岡からお越し下さるので、制作のこと、使い方、こだわりなど、ひとつひとつの製品について詳しくお話をお聞きできます。

 

 

 

今回の出展商品の一部をご紹介

ビアカップ – シラカバセット – ホワイト  ¥13,200(税込)
白樺の幹をイメージしたテクスチャーの錫のカップ、札幌のエゾシカ革アルチザンデザイナー高瀬季里子さん製作のエゾシカ革製スリーブとコースターがセットになった製品です。ベージュ、ブラック、レッドに加え、ホワイトがこの度発売されました。錫100%のビアカップは、鋳造の際にできる梨地調の少しザラザラとした鋳肌により、ビールのまろやかな泡立ちを生み出します。錫は熱伝導率がよいので、器を冷蔵庫で1-2分冷やしてから使うと、キンキンに冷えたビールをお楽しみいただけます。

スリーブとコースターは、近年頭数の増加が問題となっているエゾシカの革を用いています。スリーブ・コースターともに水滴を気にせずお使いいただけるよう防水加工を施しています。錫の鋳物の風合いと滑らかな革の手触りをお楽しみください。

 

箸置 – ティンクリスタル – 2ヶ入 ¥2,750(税込)

雪の結晶を模した4cmほどの箸置きは、雪を連想させ夏でも涼しく見えますね。箸置きとしてだけでなく紐を通してチャームにもできそうです。

 

角長皿 片口 盃 箸置きなどテーブルウェアが並びます。

 

 

 

工場と製造過程について

富山県高岡市にある本社工場は、2019年のグッドデザイン賞に選ばれました。

製作の様子 広い工場内でたくさんの職人さんが作業をされています。

250度ほどまで熱して溶かした錫をベテランの職人さんが流し込んでいます。あっという間に冷え固まってしまうのでスピードが大切です。

鋳型用の砂に少量の水分と粘土を混ぜ、押し固めて成型する「生型鋳造法」で製造します。鋳物砂は押し固めているだけのため、もろく崩れやすく、熟練した職人技が必要となります。 また、砂の粒子の多きさや気温差等の条件により、ひとつひとつ表情の違う鋳物が生まれるのも「生型鋳造法」の特徴です。

鋳型から取り出されたばかりの片口

取り出された製品のひとつひとつを丁寧に職人の手で研磨し、仕上げていきます。

 

能作さんでは、自動化した機械が製品を製造をしているのではなく、ひとつひとつの製品が、職人の技で作られています。能作さんの工場見学をされた方は、使う度に職人さんの事を思い出し、心のこもった一品であることを感じることと思います。

 

 

 

工場見学ができる「能作FACTORYツアー」

 

(株)能作 経歴

(詳細は能作HPにてご覧ください⇒ https://www.nousaku.co.jp/company/)

1916  富山県高岡市京町にて、青銅鋳物により仏具の製造を開始

2002  業容の拡大に伴い、株式会社能作と改組改称

2003  世界初「錫100%」製のテーブルウェアの製造を開始

2016  創業100周年を迎える

代表取締役会長 能作克治が藍綬褒章を受章

「第1回三井ゴールデン匠賞」グランプリ受賞

2017  高岡市オフィスパークに本社・新工場竣工に伴い移転

2019  本社工場がグッドデザイン賞受賞

「第13回産業観光まちづくり大賞」経済産業大臣賞受賞

2022  台湾・台北にブランドコンセプトストア「能作台灣品牌概念店」をオープン

2023  ダイヤモンド経営者倶楽部 2022年度「マネジメント・オブ・ザ・イヤー」大賞受賞

 

年商16億円の町工場「能作」父娘が仕掛ける新たな挑戦【ガイアの夜明け】(2022年7月25日)

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